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五十川将史の「ハローワーク採用を極める」メールマガジン
第62号 2025/12/4発行
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皆さん、こんにちは。
ハローワーク採用支援に特化した社会保険労務士の五十川将史(いかがわ まさし)です。
いつもメールマガジンをご覧いただき、誠にありがとうございます。
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【テーマ】
Q.「職場の雰囲気」は求人票でどう伝える?
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- 「職場の雰囲気」は、求人票の中で最も伝わりにくい情報のひとつです。
しかし同時に、求職者が応募の判断材料として非常に重視している項目でもあります。
ハローワークで求職者相談を担当していた頃、
「この会社って、どんな雰囲気なんでしょうか?」
という質問は本当に多く、
仕事内容と同じくらい“雰囲気を気にしている”という実感がありました。
とはいえ、私もすべての会社の内部を知っているわけではありません。
当時は求人票や会社HPを見ながら想像でお答えするしかなく、
「雰囲気の情報が求人票にもっと書いてあれば…」と感じる場面も多々ありました。
では、求人票で雰囲気をどう伝えるのが正解なのか。
結論は――
抽象表現ではなく、“事実”で伝えること。
例えば、
•「アットホームな職場です」
•「風通しの良い環境です」
•「和気あいあいとした雰囲気です」
といった表現は、残念ながら読み手に具体的なイメージは伝わりません。
求職者が知りたいのは、
「アットホーム=どんな行動や仕組みがあるのか?」
「風通しが良い=どんな方法で意見が通るのか?」
という“根拠と具体”なのです。
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【1】雰囲気は「抽象」ではなく「行動・文化」で伝える
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抽象語を具体的な事実で表現するだけで、
求職者の安心感は大きく変わります。
■「アットホーム」の代わりに
・新人には入社3カ月間、先輩社員が必ず1人つく
・日常的に声かけや雑談が交わされる文化
・困っている人を誰かが必ずフォローする風土
■「風通しが良い」の代わりに
・誰でも書ける改善提案シートを毎月回収
・週1回30分の意見交換タイムを設置
・役職に関係なく社長へ直接相談できる仕組み
■「仲が良い・和気あいあい」の代わりに
・休憩は部署を越えて同じ部屋で過ごす
・新メンバーが入社した週は昼食会を開催
・否定せず受け止める傾聴スタイルを重視
このように、
雰囲気=行動・仕組み・文化の描写
に置き換えるだけで、伝わる情報量が大きく変わります。
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【2】エピソード・数字を添えると説得力が段違い
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ハローワークの求人票は文字のみの媒体ですが、
仕事内容欄や特記事項欄を使えば “根拠のある説明” が可能です。
例えば――
- 「平均年齢○歳。仕事中もお互いに声をかけやすい雰囲気です」
•「毎朝5分間、ちょっとした雑談タイムを設けています」
•「入社半年以内の退職者は過去3年間ゼロ」
•「社員紹介による入社が3年連続で発生」
•「見学時には実際に働く社員と直接話せます」
こうした 行動・仕組み・数字・実際のエピソード は、
求職者にとって何よりの安心材料です。
特にキャリア採用の方は、
現職(または前職)との比較で応募を判断 します。
だからこそ、
“この会社で働く自分をイメージできる情報”
を求人票に盛り込むことが非常に重要なのです。
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【3】雰囲気は「外から見える事実」で表現すると誤解がない
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“雰囲気”を主観的に伝えるほど、求職者とのズレが生まれます。
しかし、外から見える“事実の描写”に変換すれば誤解は起きません。
× アットホーム
→ ○ 新人が困っていると、必ず誰かが声をかける文化がある
× 風通しが良い
→ ○ 週1回のミーティングで全員が意見を出す機会がある
× 仲が良い
→ ○ 新人が入社した週は部署横断で昼食に行く慣習がある
このように、
求職者が“自分の目で見たイメージを持てる情報”に変換することがポイントです。
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【まとめ】
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- 雰囲気は抽象語ではなく「事実・仕組み・行動」で伝える
● 数字・エピソード・制度を添えると説得力が大幅に向上する
● キャリア採用者は現職との比較で応募可否を判断する
● 求職者が“自分を重ねられる情報”が応募の決め手になる
「雰囲気」は目に見えないテーマですが、
求人票の書き方次第でしっかり伝えることができます。
求職者が安心して応募できるよう、
これからも“自社の雰囲気の見える化”を一緒に進めていきましょう。
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