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五十川将史の「ハローワーク採用を極める」メールマガジン
第59号 2025/11/13発行
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皆さん、こんにちは。
ハローワーク採用支援に特化した社会保険労務士の五十川将史(いかがわ まさし)です。
いつもメールマガジンをご覧いただき、誠にありがとうございます。
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【テーマ】
Q. “辞めても戻れる会社”が選ばれる理由とは?
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A. 「辞めても戻れる」、その安心感が、応募意欲と定着力を高めます。
近年、大企業を中心に注目されている「アルムナイ採用(Alumni採用)」は、
一度退職した社員を“出戻り社員”として再び迎える仕組みです。
いまや中小企業でも、元社員や元パートさんが戻って活躍する例が増えています。
採用難の時代において、「再び働きたいと思える職場づくり」は、
求人票の伝え方にも大きなヒントを与えてくれます。
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アルムナイ採用とは、「再雇用制度」や「嘱託再雇用」とは異なり、
“退職後も良好な関係を続けて、また一緒に働けるようにする”という発想です。
この“戻りやすさ”を感じさせる表現は、求人票の印象を温かく、信頼性のあるものに変えてくれます。
■ 「人間関係の良さ」は“戻りやすさ”につながる
離職理由として「人間関係」を挙げる人は多いものの、
それは“特定の上司や同僚との関係”など、一時的な要因であることがほとんどです。
一方で、時間が経っても「またあの職場で働きたい」と思えるのは、
その会社全体に“人を大切にする文化”や“居心地の良さ”があった証拠です。
アルムナイが戻る最大の理由は、やはり「人間関係の良さ」。
職場の雰囲気やチームワークの良さを求人票で具体的に伝えることは、
“再び働きたいと思える会社”を印象づけるうえでも非常に効果的です。
例:
・世代を超えて話しやすい雰囲気があり、元社員の再入社実績もあります。
・子育てなどで一時的に離職したスタッフが、再び戻って活躍しています。
・お互いを尊重し、助け合う社風を大切にしています。
■ 「再雇用・復職の実績」を数字と事例で見せる
アルムナイ採用の効果を伝えるには、“実際に戻ってきた人”の存在が何よりの証拠です。
数字や具体的な背景を添えることで、求職者の信頼を得やすくなります。
・過去3年で3名の元社員が再入社(うち2名が管理職に昇進)
・育児を機に退職したスタッフが、子育ての落ち着いた時期に復職
・一度転職した元社員が「やっぱりこの会社が良い」と再入社
こうした情報は、「長く安心して働ける職場」であることを裏づけます。
■ 「戻れる職場」と感じてもらう表現を入れる
求人票に「再雇用制度あり」と書くだけでは、“制度”で終わってしまいます。
“また働きたいと思える職場”と伝えるために、柔らかい言葉を添えるのがポイントです。
例:
・ライフステージが変わっても、再び活躍できる環境があります。
・ブランクのある方の再挑戦も応援しています。
・一度離れた社員が戻ってきやすい風土づくりを進めています。
求職者に「この会社は人を大切にしている」と感じてもらえることで、
応募だけでなく、入社後の定着にもつながります。
■ 「辞め方」よりも「関係の続け方」を意識する
アルムナイ採用が成り立つ企業には、“辞め方がきれい”という共通点があります。
円満退職を受け入れ、退職後も連絡を取り合える関係を築くことで、
「もう一度一緒に働きたい」と思ってもらえるのです。
求人票に直接書けなくても、
「退職後も関係を大切にする」「また働きたいと思ってもらえる職場を目指す」といった一文を加えると、会社の姿勢が伝わります。
■ アルムナイ採用の考え方を求人票に落とし込むポイント
1️⃣ 「人間関係・社風」を具体的に伝える
2️⃣ 「再雇用・復職」の実績を数字で示す
3️⃣ 「また働きたい」と思える表現を入れる
4️⃣ 制度よりも“姿勢”や“雰囲気”で伝える
“辞めても戻れる会社”は、“辞めたくない会社”にもなります。
アルムナイ採用の視点は、求人票をより温かく、信頼性のあるものに変えてくれます。
【まとめ】
• アルムナイ採用=“出戻り社員”を前向きに迎える仕組み
• 「戻りやすい職場」は「人を大切にする会社」の証
• 制度ではなく“雰囲気・姿勢”で伝える
• 元社員の実例を求人票に盛り込むと効果的
• “辞めても戻れる”は、“安心して働ける”につながる