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五十川将史の「ハローワーク採用を極める」メールマガジン
第56号 2025/10/23発行
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皆さん、こんにちは。
ハローワーク採用支援に特化した社労士の五十川将史(いかがわ まさし)です。
いつもメールマガジンをご覧いただき、誠にありがとうございます。
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【テーマ】
Q. 「人手不足だから“急募”」は求人票にそのまま書いていいの?
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A. 「急募」は使い方次第。
“焦り”ではなく“前向きな採用理由”として伝えるのがポイントです。
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◆「急募」はよく見かけるけれど…
ハローワークの求人票や求人サイトでよく見かける「急募」という言葉。
たしかに、「すぐに採用したい」「今すぐ人がほしい」という企業の思いを
率直に表しています。
しかし実際のところ、「急募」と書かれた求人に応募が集まりやすいかといえば、
必ずしもそうではありません。
求職者の中には「離職者が出たのでは?」「人が定着しない職場なのかも」と
マイナスに受け取ってしまうケースもあります。
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◆「急募」が持つ“二つの顔”
私がハローワークで勤務していた当時、職員の間でもこの表現には意見が分かれていました。
ある職員は「“急募”と書くと慌ただしい印象を与える」として控えるべきという立場でしたが、
一方で別の職員は「“急募”とあると、“求職者が採用されやすいかもしれない”と感じることもある」と話していました。
つまり、“急募”は必ずしも悪い言葉ではありません。
ただし使い方を誤ると、せっかくの求人の印象を損ねてしまうリスクもあります。
ポイントは「どういう意図で使うか」を整理しておくことです。
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◆「急募」よりも“背景”を伝える
多くの企業が「急募」と書きたくなるのは、「今すぐ人が必要」「早く採用したい」から。
しかし、その背景を少し言い換えるだけで、印象は大きく変わります。
【NG表現】 【改善例】
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急募! → 増員による募集です/業務拡大のための新メンバー募集
欠員補充のため急募 → 長く勤めていた社員の退職に伴う募集(引継ぎあり)
すぐ働ける方歓迎 → 入社後すぐに始められる簡単な作業からスタート
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「なぜ今募集しているのか」を明確に伝えることが大切です。
背景を添えるだけで、「安定した職場」「前向きな採用活動」という印象になります。
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◆「すぐ働ける方歓迎」はポジティブに
「すぐ働ける方歓迎」という表現も、使い方次第です。
単に“急いでいる”という印象ではなく、次のように補足してみましょう。
・面接から最短1週間で入社可能です
・入社後は簡単な作業からスタートするので安心です
・即戦力の方だけでなく、未経験から始めたい方も歓迎します
スピード感を残しながらも、安心感を同時に伝えることがポイントです。
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◆まとめ
「急募」という言葉には、企業の率直な思いが込められています。
ですが、そのままでは「人が足りない職場」という印象になりかねません。
本当に伝えたいのは、「新しい仲間を迎えたい」「体制を強化したい」という
前向きな姿勢のはずです。
「急募」を使うなら、その理由や背景を一緒に書くこと。
そして、求職者が“歓迎されている”と感じられる表現に変えること。
それだけで、同じ求人票でも印象がまったく変わります。