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五十川将史の「ハローワーク採用を極める」メールマガジン
第54号 2025/10/10発行
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皆さん、こんにちは。
ハローワーク採用支援に特化した社労士の五十川将史(いかがわ まさし)です。
いつもメールマガジンをご覧いただき、誠にありがとうございます。
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【テーマ】
Q. 給与が相場より低い場合、どう伝えればいい?
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A. 隠さず、理由と代わりの魅力を添えて伝える!
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求人票において、求職者がまずチェックするのは「給与」。
相場より低く見えてしまうと、「条件が悪そう」と判断され、検討対象にすら入らないケースがあります。
ただ、中小企業では「どうしても地域相場より低めにせざるを得ない」こともあるのが現実。
そんなときにやってはいけないのが、ただ金額だけを出して終わりにすることです。
求職者が知りたいのは――
- なぜこの金額なのか(理由)
- 代わりにどんなメリットがあるのか(魅力)
- 将来的にどうなる可能性があるのか(展望)
給与は「安いかどうか」よりも「納得できる説明があるかどうか」で評価が分かれます。
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■やってはいけないNGパターン
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- 「当社規定による」「経験に応じて」だけで金額が分からない
- 相場より低い数字を提示し、他の情報がゼロ
- 魅力や将来性に触れず、給与の項目だけで終わっている
これでは「給与も低く、他に良い点もない会社」と思われ、応募につながりません。
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■どう伝えればいいのか?
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- 理由をセットで書く
- 「設立間もないため初任給は控えめですが、成果は賞与でしっかり還元しています」
- 「地域密着の小規模事業所のため給与は大手より低めですが、転勤なく地元で長く働けます」
- 代わりの魅力を具体的に伝える
- 残業が少なく、家庭との両立がしやすい
- 有給が取りやすい/学校行事で休みやすい
- 通勤が短い、転勤なし
- 資格取得支援や研修制度あり
- 定着率が高く、人間関係が安定している
- 将来性を示す
- 「入社2年目以降は責任に応じて昇給」
- 「資格取得後は手当を支給」
- 「業績に応じて年2回の賞与」
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■月収例・モデル年収例の活用
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ハローワーク求人票では、フルタイムの場合「定額的に支払われる月給額」しか記載できません。
そのため、基本給だけだと実際より低く見えることがあります。
そこで効果的なのが、月収例やモデル年収例の提示です。
各種手当や残業代、夜勤回数などを加えた「実際の収入イメージ」を示すことで、求職者に安心感を与えられます。
▼記載場所の工夫
- 求人に関する特記事項欄
「夜勤手当を含めた月収例:○○万円程度」 - 賃金欄の「その他手当付記事項(d)」
「資格手当:○○円/月、家族手当:○○円/月」 - 仕事内容欄(給与を強調したい場合)
「月収例:25万円(夜勤4回・残業10時間含む)」
数字での裏付けを示すことで、「給与が低い」という不安を払拭できます。
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■書き方の具体例
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- 「基本給は○○円〜と地域相場よりやや低めですが、残業は月5時間程度と少なく、家庭と両立しやすい環境です」
- 「給与は大手並みではありませんが、転勤はなく地元で安定して働けます」
- 「スタート時は抑えめですが、昇給制度と資格取得支援があり、キャリアアップを応援します」
- 「月収例:25万円(夜勤4回・残業10時間含む)。将来的には役職手当・資格手当も加算されます」
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■まとめ
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給与が相場より低いことは隠せません。
大切なのは「理由」と「代わりの魅力」、そして「将来性」を示すこと。
- なぜ低めなのか(理由)
- どんな安心・メリットがあるのか(魅力)
- 今後どう伸びていくのか(展望)
この3点を盛り込み、さらに月収例やモデル年収例で数字の裏付けを示すことで、
単なる「安い求人」ではなく「安心して応募できる求人」として求職者に伝わります。
給与の書き方ひとつで、応募の数も質も大きく変わります。
ぜひ自社の求人票でも工夫してみてください。