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五十川将史の「ハローワーク採用を極める」メールマガジン
第42号 2025/7/11発行
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皆さん、こんにちは。社会保険労務士の五十川将史(いかがわ まさし)です。
いつもメールマガジンをご覧いただき、誠にありがとうございます。
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【テーマ】
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【Q&A】
Q. ハローワークで採用を進めるにはどのような福利厚生が効果的ですか?
A. ハローワークで求職者が検索する「詳細検索条件」に注目し、「入居可能住宅」や「利用可能な託児施設」など、求職者の目に留まりやすい項目を意識してみましょう
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【解説】
「どんな福利厚生を打ち出せば、採用に効果的なのか?」
こうした問いに対しては、まず「求職者がどのように求人を探しているか」に目を向けることがヒントになります。
たとえば、ハローワークインターネットサービスの「詳細検索条件」では、下記のような項目が設定されています。
- 入居可能住宅(単身用あり/世帯用あり)
- 利用可能な託児施設(あり)
- 書類選考なし、正社員登用あり、マイカー通勤可、転勤の可能性なし
- 在宅勤務、駅近(最寄駅から徒歩10分以内)
- 受動喫煙対策あり
- トライアル雇用併用求人
- UIJターン歓迎求人
これらの項目は、求人票の詳細情報の一部として表示されるだけでなく、求職者が求人検索時に「絞り込み条件」として活用する、いわば“フィルター”です。
つまり、該当項目にチェックを入れておけば、検索結果に表示されやすくなるという大きな利点があります。
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■ 「入居可能住宅」は強力な訴求ポイントに
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過去のメルマガ第16号(2025/1/10発行)、第29号(2025/4/11発行)でもご紹介したように、「入居可能住宅」は、特にハローワークを通じて募集を行う中小企業にとって非常に有効な選択肢です。
社員寮や社宅がなくても、借り上げ住宅(会社が家賃の一部を補助、あるいは契約者となって賃貸提供)という形式で整備すれば、求職者にとっては大きな安心材料となります。
地元から離れた場所で働きたい人や、UIJターン希望者にとっては「住まいがある」ことが応募のきっかけになりやすく、条件が多少希望と違っていても“決め手”になることがあります。
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■ 「利用可能な託児施設」は自社運営でなくてもOK
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「託児施設のある会社にしか応募しない」——そう考える子育て世代は決して少なくありません。
とはいえ、中小企業が保育所を自前で運営するのはハードルが高い…。
そんなとき、活用を検討したいのが「企業主導型保育事業」です。
この制度では、保育事業者が設置した保育所を、1社または複数の企業が共同利用できます。
自社で保育施設を持たなくても、提携先として利用登録すれば「利用可能な託児施設あり」と求人票に記載することが可能になります。
もし、貴社の求める人材が子育て中の方であれば、これは非常に強力な武器になります。
また、直接子育て層をターゲットにしていなくても、子育て支援に積極的な企業姿勢は、求職者にとっての安心感や好印象につながります。
私が支援している企業でも、面接時に独身男性の応募者が「女性が働きやすい職場は、男性にとっても働きやすいと思いました」と語ったことが何度もあります。
全国には提携企業を募集している企業主導型保育園が多数あります。
“保育所を持つ”のではなく、“既存の保育所とつながる”という考え方で、ぜひ一度調べてみてください。
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■ 「その他の検索条件」も意外と見られています
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福利厚生とは少し離れるかもしれませんが、同じく「詳細検索条件」に含まれる以下のような項目も、検索の際によく利用されています。
- 書類選考なし
- マイカー通勤可
- 駅近(最寄駅から徒歩10分以内)
- 転勤の可能性なし
- 受動喫煙対策あり
どれも、小さなようでいて「安心材料」になるものばかりです。
求職者が求人票を読みながら「この会社、自分に合っているかも」と感じるきっかけになります。
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■ まとめ:「項目にあるもの」は“活かして伝える”
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ハローワークでの採用において、重要なのは「他社と同じ内容を出すこと」ではなく、
「検索条件として存在している項目を活かすこと」です。
求人票に書いてあっても、チェックを入れていないと検索で表示されない——
そんな“もったいない”ケースを避けるためにも、自社が対応できる項目はできるだけ丁寧に確認し、チェックを入れておきましょう。
たった1つのチェック項目が、1人の求職者の目に留まるきっかけになります。
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次号(第42号)は、2025年7月18日(金)配信予定です。
テーマは「「新卒なんて無理!」と諦めない!~中小企業でも新卒相当な人材が採用できる方法~」です。
引き続き、ご愛読のほどよろしくお願いいたします!
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