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五十川将史の「ハローワーク採用を極める」メールマガジン
第36号 2025/5/30 発行
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皆さん、こんにちは。社会保険労務士の五十川将史(いかがわ まさし)です。
いつもメールマガジンをご覧いただき、誠にありがとうございます。
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【テーマ】
Q.ハローワークに求人を出せば、自社の採用ホームページは必要ありませんか?
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A.採用ホームページは「必須」といえます。ただし、時間やお金をかけずにできる工夫もあります。
【解説】
多くの企業が新たに取引を開始する際には、まず相手先の情報を集め、信用調査を行ったうえで、取引するかどうかを判断していることでしょう。
その際に、真っ先に確認するのが「取引先のホームページ」ではないでしょうか。
これは求職者も同様です。
興味を持った企業に応募するかどうかを判断する際、その企業の情報をインターネットで調べ、ホームページを確認するというのはごく自然な行動です。
私がハローワークで職業紹介をしていた頃も、求職者の方には「ホームページはご覧になりましたか?」と必ず確認していました。
つまり、「ホームページは必ず見られている」ことを前提にする必要があります。
採用に力を入れたい企業であれば、ホームページの更新や採用情報ページの設置は、もはや当然の取り組みといえるでしょう。
特に現在は、SSL対応(URLが「https」で始まり、鍵マークが表示される安全な通信設定)やスマートフォンでの閲覧最適化も重要です。
とはいえ、ホームページの整備や改修には時間も費用もかかるため、中小・零細企業にとっては負担が大きいのも事実です。
そこで今回は、できるだけコストを抑えながら、今すぐ取り組める対策を2つご紹介します。
①ホームページのトップ画面だけでも更新する
ホームページを開いてみると、作成されたまま一度も更新されていないという企業も少なくありません。
求職者の立場からすると、「この会社、今もちゃんと動いているのかな?」と不安に感じることがあります。
本格的なリニューアルには時間も費用もかかりますが、「新着情報」「お知らせ」「トピックス」など、トップページの一部だけでも更新されていれば、「今も活動している会社」という印象を与えることができます。
たとえば「夏季休業のお知らせ」「年末年始の営業案内」など、日常の案内レベルの情報であっても十分です。
ホームページが更新されているというだけで、企業への信頼感は大きく変わります。
②SNSや無料の求人媒体を活用する
そもそもホームページがない、あるいは更新が難しいという企業もあるかもしれません。
そういった場合には、Note、ブログ、Instagram、X(旧Twitter)、FacebookページといったSNSや、Indeed、engageなどの無料プランがある求人媒体を活用するのがおすすめです。
これらはホームページの代替手段としても有効で、比較的簡単に始めることができます。
SNSの活用については、「時間がない」「投稿が面倒」という声もよく耳にしますが、採用は経営課題です。
人材を確保したいと決めたタイミングで、一定期間だけでもSNS発信に手間をかける価値は十分にあります。
もちろん、社長自らがすべてを発信する必要はありません。
ある企業では曜日ごとに部署や担当者を決め、日常の業務や社内の出来事を交代で発信しています。
むしろ、そうした“何気ない日常の一コマ”の方が、求職者にはリアルで魅力的に映ることもあります。
たとえば、新入社員が入社後の研修や日々の成長について綴る「社内ブログ」のような投稿があれば、求職者が自分の未来の姿をイメージしやすくなるはずです。
社員が主体的に現場の様子を発信することで、「自分も採用活動の一端を担っている」という意識が芽生え、結果として企業全体の採用力も高まっていきます。
【まとめ】手間をかけずに“採用の顔”を整えよう
ハローワークに求人を出すことは、コストを抑えた採用活動の第一歩として非常に有効です。
しかし、そこから応募につなげるためには、求職者が「もっと知りたい」と思ったときに、安心して確認できる“企業の顔”が必要になります。
それが、ホームページやSNSといったネット上の情報です。
すべてを完璧に整備する必要はありません。
トップ画面の更新、SNSでの日常的な発信、無料の求人媒体の活用など、できることから一歩ずつ始めることが大切です。
少しの工夫と継続が、求職者の安心と信頼を生み出し、結果として応募につながります。
今日できる小さな改善を、ぜひひとつ実践してみてください。
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次号(第37号)は、2025年6月6日(金)配信予定です。
テーマは「求職者は求人票から企業の募集に対する熱意や本気度を感じる」です。
引き続き、ご愛読のほどよろしくお願いいたします!