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 五十川将史の「ハローワーク採用を極める」メールマガジン
              第39号 2025/6/20 発行
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皆さん、こんにちは。社会保険労務士の五十川将史(いかがわ まさし)です。
いつもメールマガジンをご覧いただき、誠にありがとうございます。

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【テーマ】

求人票作成の「P-D-Sマネジメントサイクル」でブラッシュアップ

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【概要】
2025
520日付の日本経済新聞朝刊にて、
「ハローワークで採用、低迷 昨年、求人9割マッチングせず」
という記事が掲載されました。

記事によると、ハローワークに出された求人のうち、9割が採用につながっていないとのことです。
「やはりハローワークでは採用できないのでは?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし私は、この数字を「ハローワークの限界」として片付けるのではなく、
見直しの余地がある企業が9割もあるというポジティブな材料として捉えています。

実際、多くの企業は、求人票の紹介期間(公開月の翌々月末)が終わるたびに求人を更新していますが、前回と同じ内容のまま期間だけを延長しているケースが大半です。
応募がなかった理由を検証せず、求人票をそのまま再掲載——これでは成果につながらないのも当然です。

求人票も仕事と同じ。「出しっぱなし」ではなく、「振り返って改善する」姿勢が必要です。
そこで今回は、求人票改善に取り組むうえでの基本フレームとして、「P-D-Sマネジメントサイクル」をご紹介します。

1Plan:ターゲットと基本方針を明確にする

求人票の作成において、まず最初に必要なのは設計段階(Plan)です。
求人票の「軸」が曖昧なままでは、誰にも刺さらない総花的な求人になってしまいかねません。

以下の4点を、社内でしっかりと整理しておきましょう:

  • どのような求職者をターゲットとするのか
  • そのターゲットに何を魅力として伝えるのか
  • 労働条件や待遇の方向性
  • 応募条件(経験・資格・年齢など)の設定

設計が甘いまま求人票を作っても、「採る」ことはおろか「見られる」ことすら難しくなります。

2Do:求人票の具体的な作成(重要な7項目)

設計ができたら、次は実際に求人票を作成する実行段階(Do)です。
この段階では、以下の7項目
が特に重要です。

① 職種名
仕事内容
就業時間
休日等
事業内容
会社の特長
求人に関する特記事項

これらは、求職者が求人票を見たときに最初に注目する判断材料であり、
「自分に合っていそうか」「応募しても大丈夫か」といった不安や期待を左右する重要な情報です。

たとえば、「仕事内容」が「現場作業」だけでは不十分です。
○○製品の組立作業を担当。未経験者は先輩がマンツーマンで指導し、1か月程度で習得可能な工程です」など、仕事内容の中身を具体的に伝えることで、応募のハードルが下がります。

また、「会社の特長」では、「設立〇年」や「地域密着」だけでなく、
20代社員比率50%」「平均勤続年数10年超」など、求職者が自分を重ねられる情報があると響きやすくなります。

3See:反応の検証と内容の見直し

求人票を公開した後は、検証段階(See)です。
「出して終わり」ではなく、「出してからが本番」です。

もし一定期間が経っても反応がなければ、次のような視点で検討しましょう:

  • 本当にターゲットに届いているか?
  • 内容は具体的か?イメージしやすいか?
  • 他社と比較して見劣りしていないか?

改善のヒントを得るために、ハローワークの窓口職員からアドバイスを受けるのも非常に効果的です。
「表現が伝わりにくい」「他社と比べて弱い点がある」など、第三者視点での指摘は、気づきの宝庫です。

分析・修正・再公開。
このサイクルを回していくことが、求人票を生きた情報として進化させていく鍵となります。

【まとめ】
「求人票を出しても反応がない」という声は少なくありません。
でも、その多くは「出した後に見直していない」ことが原因です。

ハローワークのマッチング実績が低い今こそ、
「出しっぱなしではなく、磨き続ける」という意識が企業に求められています。

Plan(設計)→ Do(作成)→ See(検証)
このサイクルを地道に回していくことで、
求人票は「ただの募集文」から「応募につながる営業ツール」へと変わっていきます。

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次号(第40号)は、2025627日(金)配信予定です。
テーマは「ハローワークで大学生の新卒採用をする際のポイントを教えてくれませんか?」です。
引き続き、ご愛読のほどよろしくお願いいたします!

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