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 五十川将史の「ハローワーク採用を極める」メールマガジン
              第37号 2025/6/6 発行
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皆さん、こんにちは。社会保険労務士の五十川将史(いかがわ まさし)です。
いつもメールマガジンをご覧いただき、誠にありがとうございます。

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【テーマ】

. 求職者は求人票から企業の募集に対する熱意や本気度を感じるものですか?

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A.はい、間違いなく感じ取っています。

 

求人票に書かれている言葉や情報の質から、企業がどれだけ真剣に人材を求めているのか

——その「熱意」や「本気度」は、意外なほど読み取られているものです。

だからこそ、求人票にどれだけ丁寧に、具体的に向き合っているかが、応募数やマッチングの精度に大きく影響します。

 

【解説】

企業としては、「労働条件」「仕事内容」「賃金」などを記載しておけば、

それを見た求職者が応募してくれる。そう考えがちです。

 

しかし実際には、求職者は条件面だけでは応募を決めていません。

求人票に書かれている情報の“中身”と“伝え方”から、その企業が「どんな会社か」「人材をどう捉えているか」といった“温度感”を感じ取っています。

 

特に、仕事に対して前向きな姿勢を持つ求職者ほど、

求人票ににじみ出る企業の「人材への向き合い方」や「採用にかける思い」に敏感です。

 

では、どのようなポイントから「熱意」や「本気度」が伝わるのでしょうか?

今回は、以下の3つの視点から解説します。

 

1本気で書いている求人は伝わる

就業意識の高い求職者ほど、求人票の文面から「この企業はどれだけ本気で採用しようとしているか」を読み取ろうとします。

そのときに注目しているのが、「この求人票はどれだけ丁寧に、時間をかけて書かれているか」です。

 

たとえば、仕事内容が「接客・販売」とだけ書かれている求人票と、

「まずは来店されたお客様への声かけや売場案内からスタート。慣れてきたら、商品補充やPOP作成、レジ締め作業なども少しずつお任せしていきます」

といった具体的な説明がある求人票では、受ける印象がまったく違います。

 

また、「9:0018:00」のみの勤務時間より、

「お子さんの送り迎えに配慮した9:0016:00勤務の方も在籍。希望があれば柔軟に調整可能です」といった情報があれば、

求職者は「この会社、ちゃんと人を見てくれている」と感じます。

 

手間を惜しまず、求職者視点で丁寧に書かれた求人票は、それだけで“伝わる”のです。

 

2】「未経験歓迎」の本気度が問われる

求人票でよく見かける「未経験歓迎」。

ですが、その一言だけでは「本当に未経験でも大丈夫なのか?」と不安に感じる求職者も多いものです。

 

「未経験でも丁寧に指導します」だけでは不十分で、

求職者が知りたいのは「何から始まり、どのように育ててもらえるのか」という具体的なストーリーです。

 

たとえば

 

「入社後1か月は先輩社員がマンツーマンで付き添い、見積作成や電話対応などからスタート。

2か月目以降、少しずつ現場にも同行し、全体の流れを掴んでもらいます。」

 

あるいは

 

「現スタッフの約6割が未経験スタート。チェックリストに沿った育成や定期面談で、不安を共有しながら段階的にステップアップできる体制を整えています。」

 

こうした具体的な説明こそが、「この会社は本気で未経験者を迎えようとしている」と伝わる材料になります。

 

3】心に刺さる情報発信(募集の経緯・方針・メッセージ)

求人票には「募集理由」の記載欄がありますが、

「欠員補充」「増員」といった選択肢だけで済ませているケースが多いのが現状です。

 

ですが求職者は、その背景にある“ストーリー”にこそ関心を持っています。

たとえば、こんな表現があると印象は大きく変わります。

 

「長年勤めてくれた社員の定年退職に伴う募集です。しっかりと引き継ぎ期間を設けており、未経験の方も安心してスタートできます。」

 

また、企業の方向性や期待する役割を伝えることで、“自分が必要とされている”という実感にもつながります。

 

「業績好調により、新しい顧客層への対応強化のための増員です。今回採用する方には、若手スタッフと連携しながら、サービスの質をさらに高める役割を期待しています。」

 

こうした“背景と期待”に加え、特記事項などで経営者や現場責任者からのメッセージを添えることができれば、より強い訴求力を持ちます。

 

【まとめ】

求人票は、ただの条件通知書ではありません。

それは、企業から求職者への“最初のラブレター”です。

 

手間をかけて書かれた求人票には、それだけで企業の姿勢や人材への思いがにじみ出ます。

そして、求職者はその本気度をしっかり感じ取りながら、「応募するかどうか」を決めています。

 

今回の3つの視点

・求職者目線で丁寧に書かれた求人票は、それだけで「伝わる」

・「未経験歓迎」には、育成の中身が必要

・背景や期待が込められたメッセージが、心に刺さる

 

これらを意識して求人票を見直すことで、単なる“募集情報”ではなく、

「この会社で働いてみたい」と思われる“出会いの入り口”に変わります。

 

採用に悩んでいる企業こそ、まずは求人票に「伝える手間」をかけてみてください。

それが、意外といい人材とのご縁を生む第一歩になります。

 

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次号(第38号)は、2025613日(金)配信予定です。

テーマは「年齢制限をしたいのですが,ハローワークの求人票でも可能ですか?」です。

引き続き、ご愛読のほどよろしくお願いいたします!

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